Fine days―恋愛小説

擦りガラスのような半透明の装丁にひかれた。内容は著者の得意なミステリアスな味付けがあって、バックグラウンドに少し陰を感じる4つのラヴ・ストーリー。僕は浅田次郎の「鉄道員(ぽっぽや)
」とか「月のしずく」を読んで泣いたりもする。それらと少し似た印象もあるのだが、浅田の描く不器用で純粋で弱い人間のあたたかい哀しみ・切なさとは異なり、この本の4つのラヴ・ストーリーは自分の周りに起こる人生の哀しみを淡々と受け止めていく強い人間が主人公の物語で、硬質な透明さが印象的だ。
僕はミステリーはあまり読まないんだけれど、この作者をキーワードにミステリーを読んでいくのも面白そうだと思った。