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読了:スティーブ・ジョブズ

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分厚い二冊の本を読むのは大変そうだと思ったけど、読み始めてみればそうでもなかった。スティーブの人生は波乱万丈でドキドキしっぱなしだし、この本の作者も翻訳者もその力量を発揮して飽きさせずに最後まで読ませてしまうのだ。面白かった。

最後まで読んで、コンピュータに関わる技術者の端くれとしてショックだった言葉があった。

「みんな、自分が得意なことで忙しくしていて、僕らには僕らが得意なことをしてほしいと望んでいる。みんな、自分の暮らしは満杯状態なんだ。コンピュータと機器をつなぐにはどうしたらいいかを考える以外に、やることがたくさんあるんだよ」

僕はどうしてもコンピュータやネットワークの側から考えてしまう。もちろん「ユーザ」という言葉でその立場を理解しようとすることはあるんだけど、スティーブのように徹底的に考えたことはないに等しいと思う。これは本当に真剣に考えなきゃならないことなんだとわかった。

もうひとつ。今僕らが立たされていて、うんざりしている状況についてこんなことを言っている。

IBMやマイクロソフトのような会社が下り坂に入ったのはなぜか、僕なりに思う理由がある。いい仕事をした会社がイノベーションを生み出し、ある分野で独占かそれに近い状態になると、製品の質の重要性が下がってしまう。そのかわり重く用いられるようになるのが、“すごい営業”だ。売り上げメーターの針を動かせるのが製品エンジニアやデザイナーではなく、営業になるからだ。その結果、営業畑の人間が会社を動かすようになる。

家業畑の人間が会社を動かすようになると製品畑の人間は重視されなくなり、その多くは嫌になってしまう。

ニッポンの製造業もいつの間にかそうなってきていると思う。本当にモノを作るのが好きな人間が減ってしまっている気がするのだ。

そして、そいういう状況を打開するために、スティーブは教育についてオバマ大統領にこう言ったようだ。

教育も時代遅れで、労働組合のルールで身動きが取れなくなっていると問題点を指摘する。教師は工場の組立ラインで働く作業員ではなくプロとして遇すべきだし、能力に基づいて雇用・解雇ができなければならない。学校は夕方6時までいられるようにすべきだし、授業日数は年間11ヶ月とすべきだ。
また、いまだに教師が黒板の前に立ち、教科書を使うというスタイルなのはおかしい、強化者も教材も評価もすべて双方向性のデジタルとし、生徒一人ひとりにあわせてリアルタイムにフィードバックができるようにするべきだ。

教育の問題は深刻だ。これはニッポンにも当てはまると思う。

スティーブは変人と呼ばれることも厭わないまぎれもない天才だ。デジタルの世界に本当に新しいモノを創りだした。僕達はそういう時代に生まれて、彼の創りだしたエレガントなデバイスを使って日常生活を送ることができる。それはとても幸せなことじゃないかと思った。

スティーブ・ジョブズ I
ウォルター・アイザックソン 井口 耕二

スティーブ・ジョブズ I
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