読了:弱い日本の強い円


この本を読むと、現政府の財務大臣がいかに為替に関していかに素人なのかがよくわかる(もちろん一般庶民である僕はもっとド素人だ)。ドル/円は債権国であり経常黒字国である日本が債務国であり経常赤字国であであるアメリカよりも低金利であるかぎり構造的に円高になるのであって、介入したところでその構造が変わらない限りは円高を止められない。借金をしてドルを買い、そのドルが下落すれば含み損が大きくなり、いずれは財政に影響してきてしまうのである。

ただし、ドル/円は今の円高水準でも輸入が輸出を上回る構造になってきているのであまり国内経済に悪影響を及ぼしていない。それよりも相手国に対して貿易赤字になっている国との為替水準に留意すべきであって、今後は韓国・中国の為替の自由化に各国と歩調を併せて取り組むべきである。

国内経済では、企業が稼いだ外貨を国内にうまく還流させることが大切で、今は国内の投資が国債に回って非効率な使われ方をしていることに問題がある。このままでは10~20年のスパンで予測すると悪性のインフレになってしまう可能性がある。

いずれにしても金融政策だけでデフレや円高を修正することはできない。構造的な問題を解決する必要がある。

ということが書かれていたと思う。

貨幣価値に対する信頼がゆらぎ、価値が下落すると悪性のインフレになってしまう。安直なリフレ論は良くないのかもしれない。ド素人の僕にも外国為替がどのような要因で動くのかわかりやすく、それらの要因のひとつひとつを通じて日本の問題を考えることができた。外国為替に興味のある人は是非読んでみると良いと思う。

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)
佐々木 融

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)
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