心を学ぶこと


放送大学で心理学を学ぶようになって2年近くになる。臨床系の科目から入って、一般的な心理学へ、そして今は認知心理学系に興味を持つようになった。
もともとは臨床に興味があったので、身の回りや社会で起きる様々な出来事を、具体的な特定の人物を対象として心理的に分析して考えるようになった。もちろん専門家には程遠いけれど、ある行動から、その背景にある心の世界を少しは想像できるようになってきたのである。
考え方が大きく変わったと感じるのは発達に関する考え方だ。従来は病気として自分の中で済ませていたものを、人の発達過程と捉えるようになったのだ。例えば認知症。介護をするのは大変だと思う。しかし介護される側はどうなんだろう。忘れてしまう。怒りっぽくなる。だんだんいろいろなことが出来なくなってくる。しかし歳をとれば出来なくなることが増えるのは自然である。代わりに出来ることも出てくる。今まで我慢してきた怒りを当たり前に表現出来るようになったのかもしれない。必要のない知識を溜め込むことをやめられるようになったのかもしれない。そう考えると、人の発達の過程であると捉えることができる。
これはとても大事なことだ。発達の過程と捉えることはその人の人格を尊重することにつながる。長い人生を生きてきた人に対する尊敬の念も湧いてくる。
そんな風に分析をすると、世の中で不可解とか異常とか言われる事件も納得出来るところがでてくる。善悪を別にして、なぜそのようになったのか、客観的に考えることは心の安定に役立つのである。
僕の遅まきながらの勉強は、自分の人生と溶け合って、新しい自分を作っている。人は日々発達の過程にある。これが心を学んでこれまでに得た最大の知見なのである。

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