札幌の大谷地にあるくすみ書房は少し変わった本屋である。年中「売れない文庫フェア」というのをやっていて、専用のコーナーがある。店の広さは昔ながらというか、やたらめったら広くなった大型書店と違って落ち着く広さである。
「売れない文庫フェア」をやっているだけあって渋い文庫本が並んでいるのだが、これが僕にはとても魅力的で困る。阿房列車が第一から第三まで並べてある。聖書が旧約から新約まで並んでいる。クラクラ日記がある。科学書もある。絵本もある。コンパクトな店内なのに読みたい本が次から次と見つかってしまう。
大型書店では食傷気味に感じてしまうようなこれでもかと押してくる新刊が目立たない。
残念ながら僕の通勤経路にはないのでたまにしか来れないのだが、たまにくるとワクワクしてしまう。
片っ端から買いたい気持ちを抑えて、陰翳礼讃を一冊だけ買った。こういう本屋を知っているのは幸せだ。