本の情報
どんなことが書いてあるのか?
- 高次脳機能障害者の手記
- 向き合う言語聴覚士の解説、コメント
- 高次脳機能障害についての説明
- 高次脳機能障害者とその家族、周辺の人々のかかわり
- Reジョブ大阪
読んでどんなことを考えたか?
脳の障害を発症してしまった人の手記というのは初めて読んだ。
脳の病気というのは重症化することが多いように感じるが、なかでも高次脳機能障害は複雑である。絶妙に保たれている脳神経のネットワークの一部が脳梗塞や脳出血などで壊れてしまう。すると一見して麻痺などの障害が見られなくても、性格とか、言動とか、そういう高次の精神機能に障害が残ってしまうことがあるのだ。
問題は医療や、行政制度の隙間に落ち込んでしまう疾患であることだ。一見して問題がないように見えてしまうから、必要な支援が受けられずに苦しんでいる人々が実はたくさんいるのである。
著者は今もこの障害と戦いながら、さらに社会とも戦おうとしている。そして、この本を出版までこぎつけた。もちろんたくさんの人の支援があって出来たことである。こういう支援の力があることを心強う思うと共に、障害者行政の不備について考えざるを得ない。
出版まで著者と一緒に戦ったReジョブ大阪の方々、とうとうNPOとして本格的に活動を始めた。著者と言語聴覚士を中心にしてこれからすばらしい活動をしてくことだろう。
僕も障害をもつ人々と関わりを持っている。僕にできることは何か。考えなければならない。
面白かった?
実際に障害をもったらどんな感覚なのか知ることができるのはとても貴重なことである。もっと高次脳機能障害や、それ以外の障害についても世の中の人々の理解が広げる必要がある。是非読んで欲しい。
まとめ
世の中には様々な障害を持つ人がいる。しかしその大部分は社会から阻害されているという実態がある。これは変えなければならない。障害があっても当たり前の暮らしができる世の中を作る。いや、障害を障害と感じること無く社会活動ができる世の中を作る。たくさんの人にそう決意して欲しい。
国政に携わる者共。この声に耳を傾けよ。