本の情報
どんなことが書いてあるのか?
- ポンポコピーのポンポコナー
- 孝女の遊女は掃除が好きで
- タコの頭、あんにゃもんにゃ
- あっしんとこね、くっつき合いなんすよ
- 俺のほうじゃあ、誰も死なねえ
- 与太さんは、それでいいんだよ
- あたい、泣いてないよ
- さぁさ、こっちへお入り
読んでどんなことを考えたか?
落語好きなら、大抵は知っている噺を持ってきて、主人公がそれと自分の現実を引き写していろいろ考える形式になっている。主人公は女性だ。女性落語家も見ないことはないが、噺の内容によっては難しいものもあるのだと考えさせられた。
今は男女同権の時代。古典落語の世界はそうじゃないから、女性目線だとちょっと抵抗があるということもあるのかもしれない。
とはいえ、落語はファンタジーだ。ファンタジーの世界を現実の世界と比較するのは違うのだ。主人公は徐々にそういうことに気づいていくように見える。
落語の中の女性の立場に違和感を感じるのは著者の年代も関係しているのかもしれない。むしろ現代の若い女性のほうがファンタジーとして落語を楽しめるのではないだろうか?
とはいえ、女性が演ずると生々しくなりすぎるという噺もあることはある。
それでも女性が落語をやるのはいいことだと思う。なにも古典だけが落語ではない。新作をどんどん作って、名作が出ればそれが古典になっていくのだ。庶民の生活を離れなければ噺は成り立つ。
たくさんある古典落語のなかから、初心者に合いそうなものをより直ぐって紹介してあるような内容だから、ここから落語に入ってみるのも良さそうだ。
着物をかっこよく着こなして、いなせな江戸弁を話す女性は憧れるな。
面白かった?
面白かったが、出てくる噺を片っ端から聴きたくなって困った。探さなきゃなあ……
まとめ
古典落語の楽しみ方を上手にまとめた小説。落語好きにはいろいろ物足りないところもあるけれど、あまり落語を意識せずにも読めて、スラッと落語の世界に入れる気がする。ぜひ「こっちへお入り」。