著者になりたい人をITの基本からサポートする読書と編集のにゃおです。
今考えている勉強会について書いてみる。
僕の問題意識
僕は30年間システムエンジニアをやっていた。コンピュータにはその10年前くらいから触れていた。最初は電気屋さんに陳列されていたオフコンともパソコンともつかないようなコンピュータからで、それはBASICが走るのが当たり前で、普通に机くらいの大きさだった。当初はマイコン(マイクロコンピュータ)という言葉で始まっていて、当時マイコン雑誌がいくつか出ていて、それを読んでプログラミングをBASICで学んだ。毎日のように電気屋さんに行ってBASICのコードを打ち込んで動かしてみていた。あのころは完全にオタクの世界だったっけ。
学生時代にはUNIXに憧れた。UNIXは大型コンピュータのOSであって、僕はまだOSというものがよくわかっていなかった。最初のころのパソコンと言ったら電源を入れるとBASICが走り出すのが主流だったのだ。しかし、まだパソコンのCPUはシンプルで、16bitCPUまではアセンブラでプログラミングができた。BASIC以外の高級言語は個人で手に入るものではなかったのだ。
在学中にUNIXが使える環境に触れる様になった。Cはもちろん使えたが、僕は人工知能に興味があったので、関連するプログラミング言語を研究室の助教授に頼み込んで買ってもらった。PASCAL,LISP,Prolog。FORTRANは授業で習ったが興味がなかった。Smalltalkが使ってみたかったが動作環境は高価で手に入らなかった。
これらで構造化プログラミング、関数型プログラミング、論理型プログラミングを学ぶことができた。オブジェクト指向は手が届かなかった。
卒業してソフトウエア会社に就職したが、システムエンジニアの世界はメインフレームという大きなコンピュータを使えるものの、使う言語はCOBOLが定番で、UNIXと違ってユーザが使える自由度がとにかく少なくてあっという間に興味を失ってしまった。
そのうち、MS-DOSの開発に携わるようになり、アセンブラでプログラムをいろいろ書いた。
Linuxが生まれ、インターネットが使えるようになり、そこから先はどんどんプログラミングの環境がよくなっていった。
でも基本ゼネラリストを目指すキャリアしかなかったので、徐々にプログラミングからは離れざるを得なくなった。システム設計とかプロジェクト管理、システム提案というようなどんどん上流の仕事をやらざるを得なくなってしまい、それから後は苦しい時期が続いた。
そんな経歴があって、一昨年退職して違う道を歩き始めたのだが、世の中はITが当たり前に使われるようになり、とりあえず趣味の世界ではいろんなことが楽しめる時代になったと思った。
しかし、周りを見てみると、ITに振り回されていると言うか、ITの基礎的素養がないばかりに余計な苦労をしている人がずいぶんいることに気づいた。基礎的素養があろうがなかろうが、ITに触れないで暮らすことはできなくなっている。いわゆるITリテラシーが無いばかりにつまらないところで損をしている人がいる。
テクノロジーはどんどん進んでいくからさほど心配することは無いのかもしれないが、コンピュータがどういうものなのか、きちんと知っているかどうかというのがひょっとすると格差を生むのではないかと感じるようになってきた。
古い技術を知っているから伝えられること
僕は古いコンピュータ技術を知っている。そこから積み上げた知識があるから新しいものが出てきてもその仕組はある程度想像できるし、限界もよく分かる。もっというと、なにか知りたいことがあるときにどこを調べればよいかよくわかっていると自負している。
ひょっとすると古いコンピュータの知識を伝えることで、ITリテラシーを底上げできる人たちがいるのではないだろうか?と思うようになった。
それで今考えているのが、「コンピュータって何?」ということを伝える勉強会をやることだ。テキストはこの本。
絶版本で、Amazonで安いものは僕が買い集めてしまったので高いものしか残っていないが、ひょっとするとこっちでもいいのかもしれない(まだ確認していない)。
年が明けたら札幌で少人数の勉強会を開いてみようと思っている。興味を持ってもらえるお話ができるといいのだが。
今日の読書
今日は休憩をする時間もなく仕事をしていて、あまり本を読む暇がなかった。
電車でちょっと読んだ。もう少しなのに終わりに行けなくてもどかしい。
寝る前に少しずつ読んでいる。
時間があったら読み進めることができる。
明日は午前中の仕事を済ませたら週末に入るから、どんどん本を読もうと思う。