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IT業界の独自のリアリティについて考える

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神成淳司 - SHINJO Atsushi on the web | 皆が嫌いなIT業界?

ちなみに、この、独自のリアリティがIT業界において実存している状況について、私自身は、少し批判的である。そのような状況が、IT業界を狭めていると思うし、私自身が良く問題視している、「IT業界と他業界との溝」の要因にもなっていると捉えているからである。

なんとなくわかる。

どの業界にもある程度存在することかもしれないが、僕が感じるのは業界関係者のITに対する無力感ではないかと思う。妙な専門意識とも言えるかもしれない。
コンピュータというのは万能の機械のイメージを持ちながらできることは仮想の世界をなかなか出ない。最近は組み込みの世界が広がってきて、現実との接点が広がりつつあるが、それでもネット上で繰り広げられる一種の自己満足的なサービスがいかにも新しいというような幻想が未だに漂っている。
よく考えてみると、これらのサービスの大半は、世の中の大半の人々にとって未だにまったく無関係なものだ。一部の人々には熱狂的に受け入れられていて、それを使えることが一種のエリートであるような錯覚を持っている。しかし現実の世界を動かしているのはそれらのサービスではなくて、実際のモノを作ったり動かしたりしている人々であって、その乖離感に苛立ち、密かな劣等感を感じて世捨て人のようにITの山奥にこもっているのがIT業界人の姿のような気がするのだ。それが「IT業界の独自のリアリティ」なのではないだろうか?これは早々に変えていかないと「まっとうな業界」には脱皮できないだろう。

別の角度から見る。
IT業界の「新3K」と言われるような状況は現実に存在する。ただし、これを旧態依然とした業界体質とか雇用環境にのみ原因を求めるのは少し違う。現場を見れば個人主義と自己満足が仕事の効率を下げている側面があり、それは古い業界にはあまり見られない傾向である。
どんな仕事もキレイなだけでやりきることはできない。それはIT業界も同じだ。しかし今までは「独自のリアリティ」で避けて通ってきた。ごく皮相的な例をあげれば、なんだかよくわからないカタカナの肩書きで自己満足的に仕事をして、なんとなく格好良さそうに見える。しかしそれで現実の問題を避けて通れるかといえばそんなことはありえない。実際には「泥のように」働かざるを得ない。避けた結果として満足感なき疲労感が残る。たぶんそれが「新3K」の正体だ。

世捨て人が寄り集まってまちまちな方を向きながら嫌々仕事をやっているから3Kになる。それをすべて(企業のマネジメントなどの)リーダーシップのせいにする精神なら、ワークスタイルや職業を変えてみたところで同じことなのだ。

これは実はIT業界に限った問題ではないのかもしれない。悪い意味でも先端を行っているのがIT業界なのかもしれないのである。そういう視点で見れば、「IT業界の独自のリアリティ」を克服できれば、世の中に変化をもたらすかもしれない。逆説的だが、IT業界はそういう社会的な観点からもなかなかおもしろい業界なのではないか。

こういう一段高い視点で見られる自分を磨くためには「泥のように働く」ことも必要だ。それが3Kにならないためのカギは、つきなみな言い方だが正真正銘の自分の「夢」を持つことなのである。







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nyao

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本を読むのが大好きです。積読本が多数。システムエンジニア経験あり。プログラミング言語はRubyが好きだけどPHPとJavaばかり書いている。最近はJavaScriptも好きになってきた。クラウド使ったお仕事募集中。

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