技術・科学

ソースコードの保管

投稿日:

Sleipnirの開発環境盗難が話題になっている。有用なソフトウエアの開発者が困難に見舞われているということに同情の気持ちを持つとともに、フリーソフト開発者の自覚ということについても考えざるを得ない出来事だ。
フリーソフトがある程度の公共性を持ってしまった場合にそのソースコードがなくなるというリスクは開発者が思っている以上に大きい。それは今回の問題がたくさんのBLOGやニュースサイトで取りあげられていることで明らかになったものだ。
こういう事態を見てしまうと、ソースコードをどこに保管しておくべきなのかということを考えてしまう。ソース非公開のソフトには盗難ばかりではなく、火災とかその他の災害などのリスクも存在するのだから。
僕自身もいくつかのソフトウエアを開発してごく小規模の人々に使ってもらっているが、そのバックアップについてまじめに考えざるをえなくなった。一番安全なのはやはりソースを公開してしまうことで、次善は信頼のおけるネットワーク上のストレージにバックアップを置くことだろう。
今回の事件ではソフトウエアは誰のものなのかという問題も同時に提起していると思う。開発者が十分な対価を得られない現状ではコードを公開するのにはかなりの勇気がいる。しかし、フリーソフトの開発に際してはバグのフィードバックなど見えにくい多数の人々の貢献があることも事実。そういう広義の開発者コミュニティの中で、ソースコードが一箇所に集中しているということは正しいことなのだろうか?開発者はリスクに対して十分な準備をできるだろうか?
すべてをオープンソースにすべきだというつもりはないけれど、今回のようなリスクを回避する手段としてオープンソースという選択肢があることを開発者は頭に入れておくべきかもしれない。
オープンソースのプロジェクトではソースが世界中の多数の場所に分散しているので今回のような事態が発生してもそのソフトウエアが有用であるほど修復が容易になるという面白い性質があるのだ。
フリーソフトの開発者は、自分の持っているソースコードの価値を過小評価せず、その紛失というリスクに対するバランスのとり方を常に意識しておかなければならないということを僕は今回の事件で学んだ。あるユーザにとってはそのソフトが唯一の選択肢かもしれないのだから。







書いた人

nyao

nyao

本を書きたい人にITの基礎から学んでもらって、Kindleで著者デビューするまでをサポートします。 ITってよくわからないという人のために勉強会をやっています。 「読書と編集」という屋号でお仕事をしています。

プロフィールを表示 →

-技術・科学

Copyright© NyaoPress 読書と日常 , 2018 All Rights Reserved.