Xeroxとオブジェクト指向がらみのことを調べていて、アスペクト指向プログラミングというキーワードに突き当たった。なんだろうと思って早速本を買って読んでみたら、なるほど便利そうだ。
一口で言うのは難しいけれど、要はシステム内で横断的に使われるロジックを後付で独立的にコーディングすることができるという面白い概念だ。
オブジェクト指向の後に来る新しい概念ではあるけれど、オブジェクト指向のようにプログラミングばかりではなくシステム分析にまで影響を与えるような大きなパラダイムシフトではなくて、オブジェクト指向を少しばかり拡張したという感じだ。しかし、既存システムの改造が新規システムの開発よりもずっと多い現代からこれからの時代にはかなり有用な概念だと思う。
アスペクト指向のJava実装のひとつであるAspectJに関する解説になっているこの本では、既存のJavaプログラムをAspectJで拡張することによって既存プログラムへの修正を独立したソースコードで記述することが書かれている。ソースレベルで特定の場所に特定のコードを自動挿入してしまうのだ。
すこし古い(失礼、経験の長い)コンピュータ関連技術者であればパッチというのを多用したことがあると思うのだが、それを宣言的な記述で自動的に挿入する言語がAspectJということになるらしい。
ビジネスシステムの多くがJavaで書かれるようになって数年たつが、言語はオブジェクト指向でもプログラミングはそうではないプログラムが大量に書かれている現状を見ると、近い将来アスペクト指向が力を発揮することは間違いないような気がする。
その前にオブジェクト指向ってのをきっちり消化できるかが問題ではあるんだけれど。
久しぶりに気になる言語に出会った気がする。
『AspectJによるアスペクト指向プログラミング入門』
長瀬 嘉秀, 天野 まさひろ, 鷲崎 弘宜, 立堀 道昭
発売日 2004/04/16
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アスペクト指向って?
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