本屋でぼーっと書棚を眺めていたときにふと目に入ったこの本、なかなか面白かった。
最近、いろいろなメディアの情報を見ていて、ふと考える自分の発想、言動のなかに、一種のナショナリズム的なものを感じて違和感を覚えることがよくある。もう少し若い頃にはあまり右のほうに寄るのは(左に寄るのもそうだけど)嫌いといってもいい感じだったのに、現実主義的思考かなにか良くわからないけれど、どうもそういうものに支配された今の思考が、ナショナリズム的なものに向かっているような気がして、過去の思考との違いが違和感として感じられるようだ。
そういう違和感のようなものに「ぷちナショナリズム」という言葉はなにかぴったりくる気がしたのだ。
この本で指摘しているとおり、日本の歴史的な経緯を軽視というか無視というか、どちらかというと無知という状況におかれて、強い意識なしにナショナリズム的傾向を強めている人々は(僕自身も含めてだけれど)多いと思う。
今はそれがどうという状態ではないのだけれど、なにかのきっかけでそれが本格的なナショナリズムに転換してしまって、しかも過去の歴史を切り離してきたがゆえに過去と同じ過ちを繰り返すかもしれないという危機感が僕にはある。それが前述の違和感なのだということをこの本は気づかせてくれた。
僕はこの著者のことはよく知らない。だけどニッポン人が深層に持っているかもしれない病理のようなものを専門的な立場でうまく分析していてなかなかやるなと思った。
ぷちナショナリズム症候群―若者たちのニッポン主義
香山 リカ
発売日 2002/09
売り上げランキング 25,422
おすすめ平均言いたいことは分かるのだが…。
著者の独りよがりな主張…
既に日本が精神疾患になっている
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ぷちナショナリズム症候群
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