帰りの便の767ー300はさすがに金曜の夜らしく満席だ。
僕は予約の時に座席指定をしているからたいてい窓際の席の座る。いつも離陸も覚えていないくらい眠り込んでしまうのだが今日はなんとなく飛行時間の半分位で目が覚めてしまってボーッと暗い窓の外を眺めている。
時々見える細かい光の粒で構成された街の灯がまるで銀河をみているようで美しい。その光はいくつかの筋にそって広がっている。それらの一群の光の中にたくさんの人々の暮らしがあって、それを10kmもの上空から眺めているというのはなんだか不思議な気分だ。
いくつもの街の光を過ぎて、何もなくなったあたりになんとなく規則正しいようにポツポツと並んだ光が見える。あれはたぶん海に浮かんだ漁船なのだろう。景色の底が真っ暗になったころ、飛行機のエンジン音が小さくなり、降下を始める。到着まであと15分ほどだ。PDAを閉じなければならない。
大きく旋回した窓にひときわ大きく光る月が見えた。
帰りの機内にて
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