読了:豊饒の海(四)天人五衰

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やっと読み終わったという感じ。
老いて醜さを増していくというのは仕方がないものなのかと考えさせられた。
多かれ少なかれ、人にはどうしようもない衝動とか、それに連なる後悔がついてまわる。それは年齢を重ねるほどに醜さにつながっていくものなのかもしれない。
死を前にしてそれを浄化できたらと願うのは誰しものことなのだろう。
そういう老醜をさらしたくないがために死を急いだという側面が三島由紀夫にはあったのかもしれない。
四部作の中で一番美しいものとして描かれたのが「奔馬」の勲であったような気がする。そこに三島の美学が詰まっているのだろう。
作家の頭の中というのはどういうふうになっているのだろうか。これほど複雑で長い小説を書くというのはよほど特殊な頭なのではないかと思ってしまう。
小説や、マンガなんかでも、長編のものになると登場人物があるキャラクターを帯びて、勝手に動き出すようなところがあると思う。この小説にはそれがない。もっと理に詰んだ、三島的思想のようなものが背景になって書かれているように思う。それがために好みの分かれる作家なのだ。
僕はしばし頭を休める作家の作品を読んで、それからまた別の三島作品を読んでみようと思った。
天人五衰
三島 由紀夫

天人五衰
春の雪 宴のあと 午後の曳航 金閣寺 仮面の告白
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nyao

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