将棋の世界というのはなかなかドラマチックな世界なんだなあと感じた。
将棋は何手も先を読む理詰めの世界かと思ったら、そうじゃないらしい。直感の7割は正しいという。
まだ試されていない手筋がほとんど無尽蔵にある一方で、新しい手もすぐに研究されて次の対局には使えなくなってしまうという厳しい世界だという。
一局で体重が2,3キロ減るという。脳はエネルギーを大量に使う器官なのだね。
目の前の対局を勝つことばかりではなく、もっと長期的な視野にたった勉強と研究が必要な世界であるとも言う。これは一般の仕事にも通じるものだ。
将棋の世界でうらやましいことがひとつある。自分の過去の業績が棋譜という形で克明に記録されていることだ。僕の仕事でも克明に記録が残っていたら、なにかと便利なのではないかと思う。
プロ棋士というのがどんなものなのか、どんなことを考えているのか。我々の生活にどんなところが生かせるのか。なかなか興味深い本である。
決断力
羽生 善治
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