読了:三月は深き紅の淵を

投稿日:

やっぱり作家の頭の中ってどうなっているんだろう?と一瞬思った。
この本はどこから書かれたのかまるでわからない。この続きに書かれたらしい「麦の海に沈む果実」もこの作品を書く前から頭の中にあったもののようだ。頭の中にたくさんの「ネタ」がうずまいていて、それをたぶん意図的に意図のないような順番に並べてみた感じかな?よくわからないけど。
作りかけの文章をそのまま書きおいてあると思えば、妙に完結した話もある。そしてそれを語る人々、既視観、ノスタルジー、重層構造。
なにか混沌としたものの中に常に浮き上がっている「三月は深き紅の淵を」。なかなか興味深い。
しかし、よく考えてみれば、人の頭の中というのはいつもこういう混沌とした状態の中にあるものだ。なにかに集中しているときのそれではなく、ぼーっとしてなにも考えていないような時に頭の中をさまざまによぎっていくものども。もっと端的に感じられるのは眠っているときの夢。そういう感じをきわめて巧妙に作り出しているのがこの作家なのかもしれない。ひょっとすると「三月は深き紅の淵を」という赤い本はこの作家の世界にずっとついて回るものなのかな?
この本を読んで、僕はまたしても次に読まなければならない本を指示されてしまった。
次は「黒と茶の幻想」だ。
三月は深き紅の淵を
恩田 陸

三月は深き紅の淵を
麦の海に沈む果実 球形の季節 ネバーランド 木曜組曲 月の裏側
by G-Tools







書いた人

nyao

nyao

本を書きたい人にITの基礎から学んでもらって、Kindleで著者デビューするまでをサポートします。 ITってよくわからないという人のために勉強会をやっています。 「読書と編集」という屋号でお仕事をしています。

プロフィールを表示 →

-

Copyright© NyaoPress 読書と日常 , 2019 All Rights Reserved.