読了:ウェブ進化論

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面白かった。
最近Web2.0ってキーワードがWeb上の色んなところに出てくるけれど、それがどういうものを示すのか良くわからなかった。が、この本を読んでみて、おぼろげながら雰囲気というものを理解することができた。
面白いと思ったのは、Wikpediaに関する記述のあたりだった。不特定多数の人々が、全体のことを強く意識するわけではなく、個々の部分について個別に関与していくことによって、なんらかの有用な結果が現れる可能性があるということ。
実はこれに似たことが「無思想の発見」に書かれていたような気がしたのだ。
Wikipediaは誰でもいつでも書き込み、編集することができる百科辞典だ。果たしてこんなアプローチで有用で正確な百科辞典ができるものだろうか?と疑問に思う。しかし、Wikipediaでちょっとしたコトバを調べてみると、正確かどうかはわからないけれど、十分に有用だということは感じられるのだ。
これは、過去になかった規模の多数決をリアルタイムで行っているようなものということもできる。
(もちろん単純な多数決よりも複雑さをもってはいるわけだけれども。)
多数決は衆愚を生むと考える人もいる。しかし、本当の意味での多数決を我々は経験していない。ひょっとすると十分な数の人々が、それぞれの意思を示す方法と、それをまとめる仕組みがあれば、その指し示す方向は案外間違っていないのかもしれないのだ。
そのとき、全ての人々がきっちりとした思想とか、考え方を持っている必要はない。それらは十分な数の中で中和され、全体として調和していくのだろう。
この点が、「無思想の発見」で書かれていた、日本人の「世間」という全体と、個の無思想という姿に良く似ていると感じたのだ。それで僕はWeb2.0の世界にふさわしいなにかは日本から生まれるのかもしれないと直感的に思った。
もちろん今のインターネットはアメリカの独壇場といっていい。それが別に悪いとは思わないけれど、次のインターネットの中核的な概念がもしも日本から生まれるとしたら、それはそれで愉快なことではないかと思うのだ。
この本の著者は今の若い世代に大きな期待を寄せている。今インターネットで活躍しているのは十代半ばでインターネットの勃興に出会った人々だという。彼らはパソコンがあって当たり前の世代だった。
そして、インターネットが当たり前の世代が今育っている。彼らはその未来にどんなものを見つけ出すのだろう。
この本を読んで痛感したことは、僕が微妙な年齢に差し掛かったということだ。すでに若くはないが、まだなにかを目指すことはできそうな年頃なのだ。だが、これから僕は新しい世界に飛び込んでいき、または自分を作り変えるということができるだろうか?
そんなことを考えると多少焦ってしまう自分がいる。
Web2.0は今の延長に考えることはできない。どっぷり「あちらの世界」に浸かってみないと理解できないものらしい。ならば、ぼくは今どこまで浸かっているのだろう?それがわからないから当分は新しい世界との狭間で思い悩むことになるだろう。
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
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