読了:まほろばの疾風

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平安時代の東北アイヌの視点の歴史小説。
アイヌは文字を持たなかったり、比較的小さな単位の部族社会で狩猟生活を主にしていたこともあって、その歴史をたどるのは難しいと思う。だからこの小説も小説以上のものではないんだけど、できるかぎりの文献を研究してアイヌ側から見たヤマトというのをうまく描いている。
アイヌといえば北海道と思いがちだが、実際には現在の日本の東側半分はアイヌが暮していた地域で、平安の昔から稲作を通じて和人の支配政策が行われてきた。当然従来の生活を脅かされるアイヌの人々との間にたびたび戦争が起こったはずで、その結果、負けたアイヌの人々は西国に送られたりしたらしい。これを逆に見れば日本中にアイヌの血が広まったということもできるのだろう。
我々が学校で常識として習う歴史が単純で一面的であることも考えさせられた。
そういう時代の戦いを中心としたストーリーなのだが、重ねて主人公の純粋なラブストーリーでもあって、単純な歴史軍記モノではない面白さと奥の深さを感じる作品だ。
まほろばの疾風(かぜ)
熊谷 達也

まほろばの疾風(かぜ)
ウエンカムイの爪 迎え火の山 荒蝦夷 漂泊の牙 山背郷
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nyao

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