情報消費と古本屋

投稿日:

僕は情報消費が激しいほうだと思う。技術的な変化の激しい業界で仕事をしているから、必然的にそうなってしまったのだ。最新の技術を追っかけるのに忙しいから古本屋にはあまり用がない。
IT系の技術書というのは鮮度の劣化が激しい。しかも消費者は限られている。だから大手の古書店チェーンでは手を出さない分野になっているようである。それでも買い取ってしまったたぶん絶対売れないであろう本(ISDNの導入本とかね)が書棚の数段を占めているのを見ると、「やっちゃったな」なんて思う。まあ、世の中それだけ情報消費が激しくなったから、ギリギリの目利きができれば商売になる訳だ。
ウチの人達は基本的に大手の古書店を立ち読みの場として利用している。最近は新刊書店ではコミックがほとんどビニールパックされていて中身を見ることができないから、中身をチェックできる古書店はありがたいのだが、結局買わずに済ましているということは、いい悪いは別にしてそれだけ情報消費が激しいと言うことなのであろう。
僕は気に入った作品は古書では買わないことが多い。きれいな方がいいということもあるのだが、なんとなく作者に敬意を払うという意味では新しいものを買うべきだという意識が働く。
こんなふうにいろんな段階で書籍は選別され、価値の評価が変わって行く。まあこれはこれで悪いことではないと思う。
ただ、大量消費型の古書店が幅を利かせていて、古い良い本を残して行くという方向に市場があまり拡大していないのは残念だ。技術書の中にも名作はある。けれどその価値を評価できる古書店は少ないし、市場はもっと狭いのであろうが、一般の書籍も似たり寄ったりな状況なのである。
そういう意味ではプレミアム本がきちんとおいてある古書店を見るとほっとする。ただ消費するのではなく、いろいろな人の間を行き交う書物というのもなかなかいいものだと思うのである。
著作権がどうとか言うのもいいけど、大量消費型古書店が売上を伸ばしている現状に、安い方がいいと思われるような著作物を大量に作っている出版業界はもっと危機感を持つべきであろう。







書いた人

nyao

nyao

本を書きたい人にITの基礎から学んでもらって、Kindleで著者デビューするまでをサポートします。 ITってよくわからないという人のために勉強会をやっています。 「読書と編集」という屋号でお仕事をしています。

プロフィールを表示 →

-

Copyright© NyaoPress 読書と日常 , 2019 All Rights Reserved.