顧客中心のデザインと言ってしまえば珍しくもないように思ってしまうが、掛け声だけじゃなくてきっちりプロセスとか手法として確立しようというところが外来の考え方だなあと思う。もちろん悪い意味ではない。
ユーザエクスペリエンスというのが特に印象深い。モノ作りはそれに触れるユーザの全ての体験についてデザインする方向に進む必要があるということ。今の時代、ソフト化が進んでいるから、購入の手前の製品を見つけ出すところから購入後のサービスに至るまで全てのユーザエクスペリエンスを設計するってことがすごく重要だと説いている。
実際、iPodみたいに良く売れているモノはそういうものかもしれない。広告イメージやApple Storeのようなディスプレイ、おしゃれなパッケージだけじゃなくて、それを開けるときのワクワク感、使い始めたらiTunesのような継続して使い続けるための仕組みが用意されていたり。。。ライフサイクルの全てにおいてなんらかのデザインがなされている。
日本ではSONYがそういうことの得意なメーカーであり、ブランドだな。最近は元気がないけど。
いろんなモノ作りをしている人たちがつい忘れがちな顧客中心のデザインをシステマティックに組織として実施していくための知識が詰まっている本だ。
使いやすさのためのデザイン―ユーザーセンタード・デザイン
山崎 和彦 吉武 良治 松田 美奈子
by G-Tools