思念波 社会 食・飲

輸入食品店を眺める

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輸入食品のJupiterというお店がある。前をとおりかかるとなんとなく寄ってしまうお店のひとつ。
缶詰とか瓶詰めの類、パスタ、インスタント麺、スパイスとかジャム、いろいろなチーズ、お菓子にワイン、コーヒー、紅茶。一通り眺めて今度はこれをやってみようとかこれはどんな味がするんだろうと考えるのが楽しい。
この店を外から眺めていて、景気というものについて考えた。北海道はいつも全国の好景気に追いつかないうちにまっさきに不景気がやってくる場所で、景気がいいといわれる今でも実感はほとんどない。人の入らないお店がたくさんあって、大手のショッピングモールにも改装中の店舗があちこちにある。
そんな状況でも、このお店には実にいろいろな人が来る。まさに老若男女がさまざまなものを買っていく。
商品は当然輸入ものばかり。中身の品質はともかく、パッケージは日本製の商品とは比べ物にならないほどチープと感じるものが多い。国産品ならこのパッケージじゃ絶対に売れないだろうし、これが一般のスーパーに並んでいても購買意欲は沸かないだろうが、この店では逆にそれがものめずらしさを感じさせるのだから面白い。日本語表記がない商品が売れているのも不思議だが、たぶん今の人は雑誌とかテレビとかインターネットとか、そういう媒体で情報を得ていて、その情報の現物が手に入ることを楽しんでいるのだろう。陳列棚にさりげなくつけられた手書きの商品紹介とか、おしゃれなユニフォームの店員さんの試食販売が購買を刺激する。
景気がよくなくてもそういうお店はある。そこに共通するのは情報消費をする人々をうまくつかんで情報を発信していることだ。社会が豊かになると情報を消費するようになる。いわゆる「通」の世界。薀蓄の世界なのである。消費者は無自覚ながら通になっている。ほかにも集客力にはいろいろな理由があるのだろうが、この店はそういう顧客の心理をうまくつかんで人をひきつけている。
実感のない好景気といわれるのは、消費者が身の回りにあふれたモノに辟易して、ほしいものを選別して買うようになったということも大きな要因なのだろう。こういう消費構造では大量消費モデルのサプライヤーが成長するのは難しそうだ。
コンパクトにまとまった無自覚通が好むお店。Jupiterを一言でいうとそんな感じ。消費者の心理をうまくつかめばゼロ成長時代でも商売が成り立つ。商売は景気頼みではないことを示しているのかもしれない。







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nyao

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本を書きたい人にITの基礎から学んでもらって、Kindleで著者デビューするまでをサポートします。 ITってよくわからないという人のために勉強会をやっています。 「読書と編集」という屋号でお仕事をしています。

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