一気に読んでしまった。
落語家風というか江戸っ子風というか、主人公がさっぱりと短い言葉で語っていくスタイルが小気味よい。と言ってコメディかといえばまったくそんなことはない。大真面目で融通の利かない江戸っ子と、それぞれなにか問題を抱えた少年、男、女。
基本的には恋愛ものという感じなんだけど、主人公のもとに集まって、前に進む力をつけていく人たちと、もう一皮むけないと一人前の噺家になれないとなやむ主人公のやりとりがもう一方のちょっと重たい筋になっている。
読み終わった後にとても暖かい気持ちになる作品。
映画を見てからと思っていたんだけど、結局行きそびれたので本を買った。たぶんこれは原作本のほうが面白かったんじゃないかなあと思いながらも主人公のイメージは国分太一なのだな。ま、映画はいずれDVDを借りてみてみることにしようっと。
しゃべれどもしゃべれども
佐藤 多佳子
by G-Tools