読了:ビールうぐうぐ対談

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僕は十代のころから椎名誠が好きで、文庫本を30冊以上持っている。最近は彼も歳をとって、だいぶ書くことが歳をとったなあと感じはするが、それでも毎年数冊は買って読んでしまうのだな。
その椎名誠が憧れるモノカキの一人が東海林さだおだというのはやっぱり椎名誠のエッセイで知ったのだが、なかなか東海林さだおの作品を読む機会はなかった。僕が椎名誠のエッセイを読むようになったのはたしか「旅」という雑誌がきっかけで、要するに旅先モノが面白くてファンになったのだ。それに対して東海林さだおはどちらかというとごく身近な範囲で起きることをおもしろく書いている人で、正直あまり興味がなかった。
椎名誠といえば、その仲間との「発作的座談会」という対談(じゃないな。雑談かな。)というのが実はとても面白い。そこから少し旅先モノじゃないところにも目が行き始めて、対談というキーワードでこの本に出会った。
基本的にこれも雑談的対談本で、やはり「発作的座談会」のようにあるテーマをどんどん発展的にバカらしくしていくようなところがあって面白いのだが、「発作的座談会」というのが基本的に内輪の雑談の形式であるのに対してこの本ではテーマに沿った第三者が介在したりするのである。第三者とはその道のプロとかベテランというような人で、日ごろから「そこのところはどうなっておるのか」と密かに思っているようなことを教えてもらうような内容になっている。
僕がとても面白かったのは築地の高級料亭で芸者遊びをする「お姐さんといっしょ」だ。遊びというのはテキトーにというわけにはいかないもので、どんなものでもルールというものがある。芸者遊びというのもちゃんときまりごとがあって、それを知っていないととんでもなく野暮な田舎モノになってしまうようなところがある。らしい。
まあ、芸者遊びをするチャンスなんて僕には一生ないような気がするし、世の中の大半の人には縁がないと思うのだけど、ちょっと興味はあるというのはホンネだろう。そこで二人は芸者さんにいろいろ教えてもらうのである。それがまた野暮にならないように上手にあしらうお姐さんがまたカッコいいのだ。
そのほかに屋形船に乗って贅沢することについてさんざん考えたりするんだけど、発想が貧しいところから離れられなくて、結局「しかし、贅沢してるとバカになりますね」「倹約なら賢く見えるね」なんて結論になったりする「わしらの贅沢」なんてのも面白い。
どちらもそこそこの年齢の、そこそこの地位のある作家で、こういう贅沢が似合わないわけでもないし、実際にこういう贅沢な現場に行くことができてしまうのだけれど、どうもそれが身の丈に合わない感じというのが面白いのだな。
この本をきっかけにして、東海林さだおの「まるかじり」シリーズも何冊が読んでみた。それについてもいずれ書いてみようと思う。

ビールうぐうぐ対談 (文春文庫)
東海林 さだお 椎名 誠

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