読了:小暮写眞館

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宮部作品は時代物を中心にたぶん二桁冊は読んでいると思うんだけど、一冊で700ページを超えるハードカバーを買うのはちょいと勇気が必要だった。買う決め手になったのは一二週間前のNHK「週刊ブックレビュー」に宮部本人が出て話しているのを見からだ。確か翌日には買ってきたと思う。案外こういうふうに背中を押されてしまうことは多い。
僕は最近月に20冊の本を読むことを目標にしている。実は多読で一番楽なのは新書とかビジネス書で、こういうカテゴリの本だけ読んでいれば一日二冊くらいは読めてしまうのだが、僕の目標の20冊には小説も入っていて、これは速読できないので結構大変なのだ。だからこの本をとりあえず机に置いてしばらく呆然としてしまった。
しかし、読み始めたらすぐに物語の世界にスーっと入り込んでいくことができて、3日ほどで読みきってしまった。
ちょっと変わり者の家族や友達を持つ主人公が写真にまつわる不思議なエピソードを解きながら、「家族」や「親族」の持つ禍々しさとかだからこその愛しさに気づいていくストーリー。最後に訳ありの「ガールフレンド」(と僕は呼んでしまう)との爽やで切ないつながりを持ってくるあたり、さすがは宮部だなあと思った。
「週刊ブックレビュー」で宮部本人が「青春モノ」を書くのは初めてだと言っていた。言われてみればそうで、大抵はわりと残酷なことをサラッと後味悪くなく書いてしまう天才だと思うのだが、この作品はそれがさらに爽やかに鮮やかにキマッてしまっている。
やっぱりこの人は天才だなあと改めて感じた作品だった。

小暮写眞館 (100周年書き下ろし)







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nyao

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本を読むのが大好きです。積読本が多数。システムエンジニア経験あり。プログラミング言語はRubyが好きだけどPHPとJavaばかり書いている。最近はJavaScriptも好きになってきた。クラウド使ったお仕事募集中。

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