月に20冊の本を読むと決めてから、読書の時間をできるだけ短縮することを考えて速読にチャレンジしようと思った。
本格的な速読はやっぱりセミナーで習う必要がありそうだし、速いに越したことはないとはいえ、それほど真剣に速読を習う気ではないので、ある程度我流でも速く読める方法を探してみたら、 「だから速読できへんねん」のやり方がある程度自分には合っているようだと思った。
慣れてくると本の上下の真ん中あたりを波打つように目を動かしていくことである程度読めてしまうことが分かってきた。まだまだ速いとは言えないだろうけど、普通の文庫本なら一時間くらいで読めるようになってきた。
しかし、文庫よりも大きめの本、要するに普通の単行本サイズだとメガネのフレームが邪魔になることがわかってきた。 なにしろ目を素早く動かしてページ全体をスキャンするわけだから、フレームの上下が目に入って、結局首を動かすことになる。これが疲れるのだ。
最初はいつも使っている遠近両用のメガネだったのだが、これは最悪だ。レンズの上部と下部で屈折率が違うのだからあたりまえなのだ。それで次は遠近両用じゃないタイプにしたら少しは楽になった。でもフレームがやっぱり邪魔。
それで思い切ってメガネをかけずに本を読み始めた。
さすがに最初は焦点距離がうまく合わせられず苦労したが、次第に数分見ていると目が慣れて気にならなくなってきた。この状態だと自由に目が動かせるから読書スピードがぐっと上がった。
するとすると、メガネをかけなければならない頻度がぐんと減ってきたのである。
昨日からはメガネをかけずに出勤し、一日それで仕事をこなしている。
なにが起こったのか考えてみると、速読で目を素早く動かすようになると、たぶん毛様体筋が鍛え直されるのだ。結果的にピント合わせが素早くできるようになってしまうというわけなのだろう。
目が疲れたと感じたときは目薬をさして少し休んだりするが、以前のように頭が痛くなったりもせず、なんだか快適になってしまった。
今でもどうにもピントが合わせられないと思うときはメガネを使うが、それは外から帰ってきた直後になにかしなければならない時くらいで、家の中でしばらくすると慣れてメガネがいらなくなる。
たくさん本を読みたいという欲望を実行に移しただけだ。今では短縮できた読書時間に前からやろうと思っていた英語の勉強とSamlltalkの勉強をすることができるようになった。
世の中なにが幸いするかわからない。
だから速読できへんねん! ~脳のブレーキを解き放て~
呉 真由美
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