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プログラミングについて考えた

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常に新しいことが起きているITの世界の中で、コンピュータの本質的なところはあまり変わっていない。と、ふと思った。

僕が30年近くも前にたまたま知ったオブジェクト指向プログラミングと言う言葉は今や全盛で、その本質を理解しているかどうかは別にしてプログラミングに携わる者はほぼオブジェクト指向プログラミングをやっている。

僕が初めて知ったオブジェクト指向プログラミング言語はSmalltalkだった。知ったと言っても雑誌の連載を読んだだけだ。当時はその処理系は高価でとても身近にあるようなものではなかったから、触れようと思っても触れられるものではなかった。しかしその体験はオブジェクト指向ならSmalltalkだろうという三つ子の魂百までというような認識を残した。

今ごろになって地味にSmalltalkの処理系の一つであるSqueakをいじり始めたのは、オブジェクトというものの正体を見極めたいという思いからだ。オブジェクト指向なら他にもあるではないかと言う人も居よう。しかしC++はオブジェクト風味という感じで、最近はテンプレート指向とでも言うような発展を遂げているし、Javaはもう少しオブジェクト指向っぽいが、結局はコンパイラ言語だ。僕の思いの中にはオブジェクトは常に存在していなければならず、それはいつでも改変できるものでなくてはならないのだ。Javaにはそれはできない。

その点ではSmalltalkはもう少しオブジェクト指向だ。この古い言語がそういう性質をきっちり持っているということが僕に魅力を感じさせる。

最近少し興味を持ち始めているErlangはもっとオブジェクトっぽい。「指向」を抜いたのには理由がある。なんとなくオブジェクトをオブジェクトのままプログラミングできそうな感じがするからである。この言語も1980年代に開発されたものでその歴史はなかなかのものだったりする。

この10年で変化したのはインターネットが誰でも使えるようになったことだろう。どんどん新しいサービスが考え出されて便利になっていく。だけどそこで使われている基本のプロトコルもやっぱりとても古いものだ。ハードウエアの進化は速いがソフトウエアのそれは案外ゆっくりしているのだ。

というわけで最初の「変わっていない」に戻るわけだ。

ITの進化は実は量の進化だと言えるのかもしれない。ストレージも通信速度も、それらを収容するサーバやネットワークや端末も、とにかく量の拡大を続けているだけといえばだけだ。おかげでオブジェクト指向プログラミングもどこでも使えるようになったわけだけれど、まだオブジェクトの世界にはなっていない。

いつか自分の端末で創りだしたオブジェクトをネットワークの海にはなしたら、それが普遍的なモノになってどこでも使える、アクセスできるという時代が来るのだろう。その時にはネットワークはあまりに普遍的で存在を忘れる様なものになっていて、本を作ることも音楽を作ることもサービスを作ることも似たようなものになるに違いない。

そうなったとき、どんなプログラミングパラダイムが現れるのか、僕はとても興味がある。そんなことを考えながら、Squeakでオブジェクトもどきを触ってみているのだ。







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nyao

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本を書きたい人にITの基礎から学んでもらって、Kindleで著者デビューするまでをサポートします。 ITってよくわからないという人のために勉強会をやっています。 「読書と編集」という屋号でお仕事をしています。

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