東京にちょこちょこ行っていて、駅で電車の発車表示板を見ていて、「こんと」と「つぎ」ってどっちが先だろうなあと考えたことがある。もちろん表示は上下になっているから先にくるのがどっちかは一目瞭然なのだが、純粋に「こんど」と「つぎ」を比較したらどっちかよくわからなくなるのだ。
日本語にも時制のようなものはある。しかし文法的に厳密ではない。これが日本語を英文にするときに邪魔をする。なんとなく英文にしにくいなあと思ったときはだいたいそういう場合ではないだろうか?
今読んでいる「英語塾」という本、要するに英語がネイティブの日本語ペラペラな人が書いた本で、こういう微妙な言語間の背景にある思考について書かれていて面白い。英語の時制は厳密だから、日本語で話すときにもその影響は大きくて、日本語なら「ありました!」というところを「あります!」と言いたくなるのだそうだ。今、そこにあるからどうしても現在形にしたくなるのだという。英語ネイティブの人も日本語を使うときには苦労しているのだ。
学校では日本語にも英語みたいな文法があって、それを所定のルールで英語に置き換えればよいのだというような英語の教え方をするような気がする。背景にある思考の違いについては一切習わない(というか僕はそうだったと思う)。だからほんの少し複雑な文章になると英訳できなくなってしまう。
要するに意味が通るように英文を書くのであって、日本語を英語に置き換えるわけではないという当たらい前のことに気づかないうちに僕は英語がキライになってしまったのだった。
この本、北大の図書館をうろうろしていて、返納台の上にあるのを見つけたものだ。その台の上にはこの本の他に二冊の英語の本が載っていて、きっとこれを読んでいた人も僕と同じように英語が苦手なのだろうなとちょっとニヤリとしてしまった。学生のうちなら試験に追われてさぞ苦労しているに違いない。それに比べたら僕は気楽なものなのだ。こういう本を読みながらじっくり勉強していけばいいのだ。
まだ全部読んだわけじゃないけど面白い本なので紹介しておくことにした。教科書的にじっくり読みたいのであとでアマゾン注文しようっと。
マーク・ピーターセン英語塾
マーク・ピーターセン
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