読書と日常をプログラミングする

NyaoPress 読書と日常

思考

読了:バベルの謎

投稿日:

「哲学」というものが始まる前には、哲学的なものを表現するために物語の形を取らざるを得ないのは洋の東西を問わないのだろう。聖書も物語の形で語られる部分が多いようだし、仏典もそうである。今だって哲学を哲学的に語るには独特の語彙と論理を学ぶ必要があって、それらを学んでいない人々に哲学を語ろうとすれば同じように物語にするのが一番良いと思われる。

旧約聖書の「バベルの塔」に関する謎の多い記述について、筆者得意の「言葉」をできるだけ客観的に捉えながら思索を進める哲学の観点で創造的な分析を詳細に加えたのがこの本だと思う。なるほどこのようなある種身も蓋もない徹底した分析は信者には無理であろう。しかしこの徹底した分析によって「物語」として聖書はわかりやすくなるのかもしれない。わかりやすくなることと信仰とは直接関係ないかもしれないけれども。

旧約聖書の「作者」が最終的に行きあたったのは自分が組み立ててきた哲学は世に遍く一般化することはできないという限界に気づくことであり、それを「バベルの塔」によって不承不承認めているというふうにこの本はまとめられている。と思う。

自分は何者かということを究めていく過程ではこのような袋小路にハマることは多々あるに違いない。その悩みは数千年前も今もあまり変わらないものなのだろう。

僕はそんなことにちょっとだけ安心したりする。

バベルの謎―ヤハウィストの冒険 (中公文庫)
長谷川 三千子

バベルの謎―ヤハウィストの冒険 (中公文庫)
民主主義とは何なのか (文春新書) 日本語の哲学へ (ちくま新書) 長谷川三千子の思想相談室 ウィーン愛憎―ヨーロッパ精神との格闘 (中公新書) 自由は人間を幸福にするか
by G-Tools







書いた人

nyao

nyao

本を読むのが大好きです。積読本が多数。システムエンジニア経験あり。プログラミング言語はRubyが好きだけどPHPとJavaばかり書いている。最近はJavaScriptも好きになってきた。クラウド使ったお仕事募集中。

プロフィールを表示 →

-思考,
-, , , ,

Copyright© NyaoPress 読書と日常 , 2017 All Rights Reserved.