僕は子供の頃から地図を眺めるのが好きだった。それにちょうど小学校に入学する頃には道路の付け替え舗装工事が盛んで、工事を飽かずに眺めていたものだった。今考えてみれば土木の道に進まなかったのが不思議なくらいだ。
今はクルマで遠距離を走る時に道路の線形を眺めるのがひとつの楽しみだったりする。優美なカーブを描いた峠近くの橋梁とか、厳しい崖が続く海岸の岩盤を貫くトンネルとか、インターチェンジの複雑な橋梁の組み合わせなどをみるとワクワクする。
北海道の道路建設には北海道らしい苦労がある。そこから日本の道路建設の基礎となった技術もたくさん生まれている。そういうことをこの本で学ぶことができた。
本の最後の方に書かれている「道路は公園のように」という言葉に、中山峠や日勝峠の美しさを重ねることができてなんだか感動してしまった。
「地図に残る仕事」の代表格。道路を作る仕事はなかなかカッコいい仕事だなと思った。
北の道づくり
北海道新聞社
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