本の情報
どんなことが書いてあるのか?
- お金の正体
- テクノロジーが変えるお金のカタチ
- 価値主義とは何か?
- 「お金」から解放される生き方
- 加速する人類の進化
読んでどんなことを考えたか?
まず、すごくワクワクしたな。
資本主義の行き詰まりって、みんな感じていると思う。資本主義の限界は、富の偏在化と増え続けることを前提としていることかなと思う。
今、増えなくなった富を一部の人が独占するという状態になりつつある。この状態が極限に達する前に、たぶん資本主義は壊れてしまうだろう。昔、絶対王政が崩れていったように。
では、その次に何が来るのか。それがこの本のポイントである。
一言で言えば「お金」は「価値」に取って代わられるということである。お金がなくなると言っているのではない。お金だけが目的という状況が変わり、お金は経済のほんの一部でしかなくなるということなのである。
「革命のファンファーレ」では、それは「信用」であると言い切っていた。そう。それも一つの価値だ。でもそれが全てではない。最近のシェアエコノミーはモノ自体が価値を運んでいるといっていい状態だ。メルカリでは究極的にお金はいらない。ポイントを介して物々交換をやっていると考えることもできるからだ。ポイントやお金は媒介するのに便利だから使われるけど、それを貯めることだけに意義があると思っている人はメルカリを使うことに意義を見いだせないだろう。
そして、世の中の様々なことがAIをはじめとした機械に置き換わることで、徐々に人が稼ぐために働くという概念は薄れていき、当面の目標である「ベーシックインカム」の時代を迎えることになる。
衣食住が保証されたら、生き方は相当変わるだろう。人は自分の好きなことのために生きるようになる。そこにはまた新しい悩みが生まれてくるかもしれないが、それを解消するための新しいビジネスが生まれるだろう。そう。べつにビジネスがなくなるわけではない。未だに掃除道具としての箒がなくならないように、これまで作られてきた仕組みがすべてなくなるわけではないのだ。ものづくりが好きな人は作るし、商売が好きな人は売るし、買い物が好きな人は買う。でも、今は価値が知れ渡っていないものも十分価値を持って取引されるだろうし、その取引は価値の交換ということになる。
お金2.0はお金ではない。それがこの本の結論だと思う。
面白かった?
面白かった。今の世の中はまだお金を目的にしている人が多いけど、一部の人はそのいわゆるラットレースから飛び出している。お金なんてただのツールだ。あれば便利というだけのモノ。そうみんなが割り切れるようになった時、お金2.0の世界は始まるのだ。
まとめ
お金2.0はお金ではない。これからは「価値」の交換を直接行うことが可能になる。そのとき、ちょっとしたツールとしてお金を使うことはあるかもしれないが、主役の座からは降りざるを得ないだろう。案外そういう時代は近づいているかもしれない。