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読了:AI VS. 教科書が読めない子どもたち

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本の情報

どんなことが書いてあるのか?

  • 東ロボくんの実力は偏差値57
  • シンギュラリティはまだSFの世界
  • 教科書が読めていない子どもたちが思ったよりたくさんいる
  • AI台頭による最悪のシナリオ

読んでどんなことを考えたか?

僕は35年ほど前から人工知能をウオッチしてきた。冬の時代をよく知っている。だから、今のAIブームが言い過ぎであることもわかっていたし、今流行っているのはAIじゃなくて、その一分野でしかないこともよくわかっていた。それでもシンギュラリティというのはちょっと気になっていた。

この本はちょっと気になっていたことをキレイに取り去ってくれた。流行の機械学習が確率と統計の結果を出しているだけ。そもそもコンピュータは最終的には四則演算しかできないと明快に言われてしまうと、そうだよなと納得してしまう。

やっぱり根本的に人間がなにかを「考える」ということについては全くわかっていない事柄のうちに入っているということだろう。

しかし、AIに脅威がないわけではない。機械が「考える」のはまだ難しいとしても、世の中の事象で確率的に確からしいことを当てることは人間よりもずっと早く正確にできるようになったのである。それが何を表すかといえば、ある判断を下す材料を一生懸命作っている人の仕事がなくなるということである。

世の中にはそういう仕事は案外多いのである。官僚然り。銀行員然り。いわゆるお固い職業に多いようである。

去年、映画の「ドリーム」を見た時、手計算をしていた人たちがIBMのメインフレームの登場で一気に仕事を失いそうになるというシーンを見て、ああ、これがまた起きるんだなと思った。それも急速に。

問題はどんな人が仕事を失うのかということになるのだが、その前に、東ロボくんが偏差値57という事実にスポットを当てたい。自分が卒業した大学の偏差値はどれくらいだっただろうか?結構な人がこれより偏差値の低い大学を卒業してきたのではないか?

偏差値は入学試験のときの値。だからその後大学で何を学んだかということとは直接関係ないんだけど、今の社会では企業が採用の事実上のスクリーニングに使っている値ではあるのだね。

で、企業が機械学習を積極的に取り入れたとしたら、偏差値57より下の大学出た人って事実上いらなくなっちゃうんじゃない?少なくともホワイトカラーとしてはいらないかもしれない。これって相当な数だよね。

そして、これからがホントの問題なんだけど、東ロボくんは「読解力」が弱いんだってことがわかって、そこに問題意識を持って教育の状況を見ると、実は人間の方にも読解力がない人がかなりいるらしいということがわかっちゃったみたいなんだな。

東ロボくんプロジェクトの人たちはそれで「リーディングスキルテスト」というのを作って、実際に全国の中高生25000人にやってみてもらった。結果はかなり惨憺たるもので、半分くらいの中学生が教科書を読む読解力がないみたいだってことになっちゃった。これはまずいよね。

中学生だけが問題じゃない。リーディングテストの例題をググってやってみるとわかるけど、大半は問題なく解けても間違えるのがあったりするんだよ。やべーと思いましたね。僕は本をよむのがとても好きだけど、ちゃんと読めていないんじゃないかってドキドキした。

この成績が悪い人たちってのは、世の中のドキュメントというドキュメントがちゃんと読めてないかもしれないんだよ。読むのが嫌いっていう人もいるよね。それは読解力が致命的に弱い可能性があるってことだ。

そういう人はひょっとしたら自分の身体を使う以外の仕事ができなくなる可能性があるってことだ。そういう仕事って大抵低収入でしょう?そういう人が増えるってことは経済にも悪影響を与えるってことになる。

著者の危機感はここにあるわけだ。

シンギュラリティは来ないけど、職業の危機がなくなったわけじゃないってこと。

じゃあどうすんだ?ってことになるけど、読解力を上げる具体的な方法はまだわかっていない。せめてもの救いは読解力はどんな年令になっても伸ばすことができるってことか。

とりあえずは本をしっかり読むということが大事かもしれない。ちゃんとわかるまで読む。なにしろ「わかる」ことができないのがコンピュータだから、勝てるところはそこしかないのだ。

僕は中学校までろくに勉強をしなかった。うちの子供達もそうだ。たいした学歴があるわけじゃないけど、常識的には困っていない。たぶんそれはそれなりに読解力があって、教科書は読むだけでわかっていたからなんだと思う。

そうじゃないとしたら、機械学習と同じレベルか下の学力しか持てないことになる。なんとかしないと。

これから子どもを育てる人たち、小さい頃から英語とか言っている場合じゃないよ。まず国語をみっちりやらなきゃダメだよ。

面白かった?

面白かった。半分が人工知能に関する話題だし、最近気になっていた学校教育の問題にもしっかり釘を刺しているからね。

ホントにこれから子どもを育てる人はまずこの本を納得がいくまでちゃんと読んだほうがいいと思うよ。

まとめ

シンギュラリティは今のコンピュータの延長線上にはない。

「読解力」がこれから生きていくためのカギ。







書いた人

nyao

nyao

本を読むのが大好きです。積読本が多数。システムエンジニア経験あり。プログラミング言語はRubyが好きだけどPHPとJavaばかり書いている。最近はJavaScriptも好きになってきた。クラウド使ったお仕事募集中。

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