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読了:われわれはなぜ死ぬのか

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本の情報

どんなことが書いてあるのか?

  • 死ー見るもおぞましきもの
  • 人間はいつ死を知ったか
  • 生の終わりの多様性
  • 死を考えるための生命の歴史
  • 死の起源と進化
  • 細胞分裂と細胞死
  • 性と死
  • 死に向けて時を刻む
  • すりへってゆく生命
  • 死とは何か

読んでどんなことを考えたか?

普通に「死」について考える時、それは観念的であったり、感情的であったり、認知的であったり、宗教的であったり、主に精神的な面で考えることが多いのではないかと思う。怖いとか、不吉だとか、まあ感情が先走ることが多いかな。

「われわれはなぜ死ぬのか」という命題を置いた時、あなたはどんなことを考えるだろう?

親のこととか、病気のこと、事故のことなど、具体的にイメージするかもしれない。でもそれではまだかなり抽象的だ。

この本は遺体が死んでいく過程を描写することからはじまる。死とはある瞬間を表すものではなく、一定の期間の間に進行していくものであることを象徴的に表現している。

それから、細菌レベルでの生と死について考え、細胞レベルの生と死を考え、と順々に進化の過程をたどっていく。人間のように60兆個もの細胞からなるものは、常にどこかの細胞が生まれ、どこかの細胞が死んでいる。たとえばアポトーシス。手の5本の指ができるためにはその間にあった細胞は自主的に死んでいく。これはDNAの中に仕組まれた死だ。

大量に細胞分裂が行われる時、DNAの複写が行われるが、それらが常に正確に行われるとは限らない。むしろ複写に失敗することはよくあることなのだ。そういう失敗した細胞が増えることを防ぐために、それをチェックし、自動的に殺す仕組みがある。人の体の中では常に細胞の死が発生している。それは時を刻んで老化という現象につながり、ついには人の個体そのものの死を迎えることになる。

しかし、生殖によってDNAは受け継がれていく。DNAのレベルでは不死ということができる。変化はしていくが、地球上に生命と呼ばれるべきものが誕生したときから営々として生き続けていると考えることもできる。

環境に適応して生きるために死ぬものがある。変化し続ける環境に適応し続けるためにはたくさんの死が必要なのである。

これは感情的であったり、精神的であったりする生死感とはまた違った生物学的な見方ではあるが、死というものはそれほど身近なものだとうことに気付かされる。

われわれはたくさんの死に支えられて生きている。

われわれは次代にDNAを残して生き、死んでいく。

生物の大きな流れの中での死は、未来に生きるための死なのかもしれない。

面白かった?

面白かった。DNAとか細胞のレベルで生死を見ると、不思議なことに生も死も同じように必要不可欠なものに見えてくる。生きる不思議を考えざるを得なくなってくる。もういう死生観もあるのだなととても勉強になった。

まとめ

生物は生き続けるとともに死に続けている。一見矛盾したように聞こえるが、それが自然だということが理解できる。面白い本に出会うことができた。







書いた人

nyao

nyao

本を読むのが大好きです。積読本が多数。システムエンジニア経験あり。プログラミング言語はRubyが好きだけどPHPとJavaばかり書いている。最近はJavaScriptも好きになってきた。クラウド使ったお仕事募集中。

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